天然の天然による天然のための裁判員制度





ある日の事――


「なぁなぁコレット」

「どしたの?ロイド」

「…裁判員制度ってなんだ?」


ロイドの問いにコレットは小首を傾げた。


「んとね…。…私も分かんないや。でも裁判なんだから、誰かを裁くってことだよね?」

「裁く…?ってことはみんなでジャッジメントをするってことか!?」

「じゃあみんな天使術が使えるようになるんだね〜」

「俺、一回あの詠唱してみたかったんだ!『輝く御名の元 地を這う穢れし魂に 裁きの光を雨と降らせん 安息に眠れ 罪深き者よ…ジャッジメント!!』」

「ロイドかっこいい〜!」


二人を少し離れた場所から眺めていたゼロスは、傍らのしいなに耳打ちした。

「…なぁ、本当のこと教えてやれよ。おまえの国の法律だろ」

「無茶言わないどくれ…。あたしには荷が重すぎるよ…」